Amazonブランドの”商標登録”について徹底解説!?
以前紹介した記事で述べたように、”Amazonの規約では「同じ商品であれば、1つの商品カタログページで出品しなければならない」というルール”があるというのは、皆様ご存知かと思います。
Amazonで出品する際に、”相乗り業者を防ぐことができる「Amazonブランド登録」が今現在、活発化しています。
しかし、このAmazonブランド登録は承認制のものでかつ、Amazonが提示する要件を満たした登録商標を用意しなければなりません。
そういう訳で今回の記事では
◎Amazonブランド登録の情報登録ページ内「知的財産」の入力欄が埋められない
◎商標登録の手続をオンラインで完結させたい
という方に向けて、商標に関する用語の解説や、出願の方法を紹介していきたいと思います。
目次
1.Amazonブランド登録の必要性が分かる事例について
まず、”重要なこと”なので何度も申し上げますが、大原則としてAmazonで自分のオリジナル商品を販売する場合、「1つの商品には、1つの商品カタログページ」というものが存在します。
この大原則のおかげで、購入者はサイト上を巡回することなく、スムーズに買いたい商品を決めることができます。
これは、”購入者にとってスムーズなものとなる一方”で、販売者同士は見えないところで戦いを繰り広げています。基本的に、”1つの商品に対し多くの出品者が乱立する構図”となるので、「どの販売者の商品情報がメインページとして掲載されるか」かが重要になるのです。
そして、ここで”深刻な問題”となっているのが「悪質な相乗り出品」の存在です。
特にオリジナル商品を扱っている販売者からは、以下のような被害が報告されているようです。
<事例①OEM元が他社にも販売しており、商品カタログページを奪われた> 自社のみで出品していたオリジナル商品だったが、他社もAmazonで出品しているのを見つけた。調べてみると、OEM供給元が他社にも商品を供給していたことが判明。その後、他社が値下げを行い、自社は商品カタログページの編集権限が持てなくなってしまった。 |
<事例②高額で自社商品を出品する業者が増加し、商品カタログページを奪われた> 自社で製造販売を行うため、勝手に他の業者による流通をされない仕組みだった。しかし、3倍以上の高値で勝手に出品する他の業者が現れ、商品カタログページの権限が持てなくなった。この業者にも利益は出ないので、何がしたいのか分からない。自社にとって迷惑な存在でしかない。 |
<事例③勝手に低価格として出品され、最終的に自社にクレームが来た> オリジナルアロマを販売したが、いつしか他社に自社の画像を使われ、結果として値段だけが安く編集された他社ページがメイン表示されるようになった。安価で買ったお客さんからクレームが入り、商品代金を自社が返金したため2倍の損失を被った。 |
先に述べたように本来、「相乗り」は”Amazon内で価格競争が生むためのルール”であるため、購入者にとっても良いことと言えました。
しかし、商品カタログページの権限を取得することだけを目的とする業者が出品すると、購入者はだまされ”オリジナル商品の販売者の信頼も失墜”します。
このような”悪質な出品を防ぐため”に、「Amazonブランド登録」が始まったのです。
2.「Amazonブランド登録」を利用するメリットについて
「Amazonブランド登録」は、”悪質な相乗り業者を排除するための認証制度”です。Amazonはこの”ブランド登録の効果”について、以下のように述べています。
この「知的財産が保護される」という部分、これだけで聞くとイメージが湧きにくいですが、具体的な出品者のメリットを挙げると以下の通りです。
①カタログ情報を勝手に編集されない!?
まず、Amazonにある商品カタログページの情報は”出品者によって書き換えが可能です”。これについては、販売実績が高い出品者の情報が採用されるとの噂です。
しかし、このルールはブランド所有者が乗っ取りを受けるリスクを孕んでいます(前述の事例参照)。
例を挙げると、「別の出品者がブランド所有者よりも低価格で商品を販売してページ権限を取得した後、ブランド所有者の意図しない売り方をする(セット売りなど)」という行為が考えられます。
これに対して”Amazonブランド登録を利用”すれば、編集権限が他の出品者に移ることを防げます。なので、商品情報を書き換えられることなく、適切な商品情報を購入者に伝えることができます。
②”自分のブランド商品のみを表示”させるページが使える
Amazonブランド登録を利用することで、通常の出品者よりも優位なディスプレイ広告を打つことが可能になります。
また、ブランド名をクリックすると”あなたが出品した商品一覧ページ(ストアフロント)の表示が可能”になります。これらの機能により、商品の認知度向上や購入率向上に貢献するでしょう。
③不正商品を見つけやすい検索機能が使える
Amazonブランド登録の利用者は、不正商品を見つけるための「グローバル検索」や「画像検索」を効率的に使用することが可能になります。
このカスタム機能を用いれば、不正商品も見つけやすくなるため”Amazonに対し迅速に報告できる体制が整ったことにもなります”。
④”JANコードなどの免除申請が可能”になる
以前の記事でも述べましたが、Amazonで新しい商品を出品する場合、”バーコード下の番号である「JANコード」を入力しなければなりません”(AmazonではEANコードとも呼ばれています)。
ブランド登録を済ませて後、JANコード免除申請を行うことで”JANコード無しでの出品”が可能となります。
他にも多くのメリットがありますが、それについてはいずれご紹介できればと思います。
3.Amazonブランド登録の「商標登録」に必要な情報とはなにか?
2018年頃の規約変更を機に、Amazonブランド登録を利用するためには”新たに商標権を取得している(=商標登録を終えていること)ことが必須”となりました。
しかし、商標権はそう簡単に取得できるものではありません。通常、”特許庁による審査があり認められるまでに約13ヶ月”の時間がかかります。
なので、Amazonブランド登録をできるだけ早く利用したいのであれば、”早期審査制度を検討”したほうが良いと言えるでしょう。また、この制度を利用すると早く審査を受けられるようになるため、認められるまでの”期間が約2ヶ月に短縮”されます。
①商標の種類について
商標の選択肢には「文字商標(テキスト)」と「図形商標(画像)」があり、その違いは、以下のとおりです。
◎図形商標:「amazon」に矢印の加わったデザイン化された商標を指す
■文字と図形、どちらで商標登録するのがよいか?
「文字商標」と「図形商標」のどちらで商標登録すべきかはケースバイケースです。強いて言うなら、まずは文字商標で出願する人が多いようです。理由としては、「ロゴデザインなどは変更するかもしれない」などが挙げられます。
文字商標では、「英文字」、「ひらがな」、「カタカナ」などの表記が考えられ、いずれの表記で商標登録するか迷うかもしれませんが”実際にAmazonで使用しているブランド名で出願”するようにしましょう。
■Amazonでは、”文字を含まないイラストだけの登録商標を認めていない”
日本の特許庁で商標を出願する場合、たとえば「クロネコヤマト宅急便のクロネコ親子マーク」のように文字が入っていなくても登録を認められています。
しかし、「Amazonブランド登録」を利用する場合だと、「ブランド登録申請に記載されたブランド名と一致している必要があります。」と明記しているため、文字の識別できない商標を出願するのは避けましょう。
②商品名について
特許庁で商標登録した商標名のことを指します。先に述べたとおり、Amazonではブランド登録申請に記載されたブランド名と一致している必要があります。
■まだ商標登録していない場合、”最悪ネーミング変更することも頭に入れておく”
これから商標登録の手続を進める場合、そのブランド名は商標として登録できない可能性もあります。(既に使われているなど)
そういった場合、”他人の商標権を既に侵害している可能性が高いので、新しいブランド名を考えるべきであることも頭の片隅に置いておきましょう”。もちろん、登録ができない理由は、他人の商標権の侵害以外にもあるので、必ず専門家の意見を良く聞くことをお勧めします。
③商標番号について
特許庁では登録番号と呼ばれているものを指します。これは、商標登録が完了した後に”特許庁から送られてきた商標登録証の「登録第〇〇〇〇〇〇〇号」という番号を確認”するか、下記の方法でウェブサイトからも確認すうることができます。
②検索項目で「出願人/書換申請者/権利者/名義人」を選択
③項目に出願人したときの情報を記入、英字の場合は全角で入力(例:株式会社〇〇、山田太郎など)
④検索ボタンをクリックし、登録商標の情報を確認
⑤「登録XXXXXXX」の番号が、商標番号です
■「商願XXXX-XXXXXX」は商標番号ではないので注意!
例えば、商願2018-000000のような「西暦+6ケタで構成された番号」は、出願したときに付与される番号であって、Amazonの示す商標番号ではありません。「商標登録された」という効力は無いので、絶対に入力しないでください。
④商標登録機関とは?
日本で商標登録した場合、まず「日本 – Japanese Patent/Trademark Office」を選択してください。
”商標登録制度は多くの国に存在”します。しかし、Amazonでは現在日本のほかに「アメリカ」、「EU」、「イギリス」、「イタリア」、「インド」、「オーストラリア」、「カナダ」、「スペイン」、「ドイツ」、「ブラジル」、「フランス」、「メキシコ」の各特許(商標)庁の発行した商標のみを受付可能としています。
4.Cotoboxを利用して商標出願してみよう!
ここまでで、”Amazonブランド登録の重要性を理解”し、”商標登録について入力すべき内容を把握”しても、「実際に商標登録手続きしようと思ってもハードルが高い…」と感じている方は多いのではないでしょうか?
その場合、オンラインでできる商標登録サービスの「Cotobox」が便利です。
まず質問サイトなどでは、「商標登録を検討する場合、特許事務所の弁理士に依頼してみましょう」というアドバイスがよく見られます。しかし、いざ事務所に相談すると考えた場合、”気が引けてしまう”方も多いと思います。
そこで、本項では「出願から登録までオンライン上で完結できるサイト」について紹介していきます。
■注文ステップに沿って入力するだけ!”費用も相場の1/4程度”で済む
「Cotobox」では、出願したい商標の情報を入力したうえで、いくつかの項目を選択していくだけで”まるでECサイトで注文するように出願書類の作成が可能”になっています。
また、費用面でも従来のサービスと比較し約1/4で済むのが特徴です。費用に関する詳細については、下記のリンク先よりご確認ください。
①”商標の情報”を入力する
アカウント作成後、「トップページから出願したい商標の情報を入力」していきます。
Amazonブランド登録で求められていた情報である「文字」か「ロゴ(図形)」、どちらもこのページでは選択可能です。
②区分を選択し、注文へ進む
次に、自分の扱うビジネスに関連のありそうなキーワードを入力して「区分の選択」を行います。例を挙げると、自分でOEMなどでブランドのおもちゃを開発している場合には、「おもちゃ」と入れて検索すると、その商標についての検索結果が表示され、注文に進むこともできます。
③注文内容の確認について
「出願内容」や「料金の確認」、「出願に必要な住所情報」の入力などを行っていきます。また、早期審査制度を利用する場合には、「早期審査オプション」を選択します。
■商標の審査結果を早く知りたい場合について
先にも述べましたが通常、”審査結果が出るまで約13ヶ月”を要します。しかし、「早期審査制度」を活用することで、なんと3週間~2ヶ月に短縮されます。制度利用には”既に商売をスタートさせているなどの条件が必要”となりますが、Amazonブランド登録を目指す方の多くは要件を満たしているので大丈夫です。(詳細については下記リンク先をご参照ください。)
④不安な点がある際はコメントを入力し、注文確定!
”商標出願が初めて”で不安な点が多いと言われる方のために、「コメント入力欄」が設けてられています。注文後、入力されたコメントを基に”適切な権利範囲で出願できるよう担当する提携専門家が修正”を行ってくれます。
あとは「注文確定ボタン」を押せば、依頼が完了となります。
⑤提携の専門家とメッセージで最終確認後、特許庁へ出願するように
注文後は、”提携している専門家とのやりとりに移行”します。専門家から連絡があったら、「メッセージ機能」で”書類についての最終確認”を行います。
最終確認後、問題がなければ”専門家が特許庁への出願手続を代行”します。特許庁の審査を経て、特に問題がなければ”約11ヶ月後に登録料を支払い、商標登録が完了となります。
商標登録が完了すれば、Amazonブランド登録に必要な情報をすべて手にすることができるようになります。
ということで、今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただきありがとございました!